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ビジネス倫理勉強会 第4回勉強会メモ (2011.2.24)

*本稿に記載されている意見等は勉強会出席者によるもの、あるいは筆記者が記述したもので、必ずしも中谷常二個人の見解とは同じとは限りません。

 

『ビジネス倫理学』、中谷常二編著、晃洋書房

リーディングス①

  1. フリードマン『ビジネスの社会的責任とはその利潤を増やすことである』 

 

・フリードマンの論考は冷戦さなかの1970年に書かれたものであり、反社会主義の色彩が強い。フリードマンの立ち位置は自由至上主義(リバタリアン)の典型。

・自由市場に任せておけば悪いものは自然淘汰される。フリードマンは『資本主義と自由』の中で、ヤブ医者は自然と淘汰されるので行政が関与する必要はないとの理由で医師免許制度をやめるべきだとしている。

・株主利益の最大化を短期的に行うよりも、企業の永続性を考慮して株主利益を減らすことも妥当性を持つ。その部分の考察はフリードマンの主張からは抜けている。企業にとっての時間軸を考える必要ある。

・フリードマンは、社会貢献活動は企業が行うべきではなく、個人が自分の金ですべきであるという。寄付は個人ですべきものである。株主の意向は明確に分からないのに、特定の相手に寄付をすることは、税金を勝手に使うようなものだといえる。この主張にはうなずける部分もある。

・ステイクホルダーとしての従業員との関係では、フリードマンの考えであれば労働の対価はとしての賃金となるのに対し、ステイクホルダー重視理論では賃金の一部が福利厚生に充てられると考えることができる。

・株主は株主だけの役割をしているわけではない。株主が顧客だったり、従業員だったり、地域社会の住民だったりすることも多い。そうなると株主からステイクホルダーに配慮しようという意向がでてきてもおかしくない。フリードマンの議論にはその部分が抜けている。

 ・フリードマンの理論は、現代人が一読すると悪辣な印象を与えてしまうかもしれない。しかし、リバタリアニズムがそこまで悪いものであったら、アメリカではここまでこの思想が浸透するはずがない。妥当性を持つ理論であるから、日本でもリバタリアニズムの方向に動いているともいえる。

 

 

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