人事院近畿事務局で課長補佐級研修を行ってきました
今回の研修ではリスクマネジメントについて中心にお話ししてきました。午前中は私の講義を中心に、午後からは受講者の方々に事前課題として作成していただいたリスクについての事例を中心に討議しました。
事前課題「公務における不祥事の問題は、時に単純に白黒付けられない点で対応する者を悩ませるものです。飲酒運転や業務上横領などは端的に不正だと断定できますが、多くの倫理上の問題は正、不正のグレーゾーンにあり、管理者はそこでジレンマを抱えた判断に直面します。
いくつか例を挙げてみましょう。課長の度重なる叱責をその部下がパワー・ハラスメントだと相談に来た場合、熱心で実績がある課長を立てるのか、腑甲斐ない部下の言い分を聞くのかのジレンマ。情報法漏えいについてのルールを策定したが、ルールが増えすぎて誰も守らなくなってしまうジレンマ。若手職員に職場でのSNS(TwitterやLineなど)の使用を控えるように伝えるものの、休憩時間での使用を制限するのはよいのかというジレンマ。
今回の研修ではこのようなリスク管理上の道徳的なジレンマを抱えた問題を皆でディスカッションする時間を設けます。皆さんが日頃の業務で体験したり、見聞きしたりしたリスク管理上の道徳的なジレンマを抱えた事例を考えてきてください。そしてその事例の簡単なストーリーと討論のポイントなる点を紙に書き出し、当日持参してください。
原則として自分自身が体験あるいは身近に見聞きした事例に限ることにします。これは自身の業務におけるリスクに関わる問題の発見にもつながり、研修作業の一環となっております」
お陰様で受講者の95%の方々から本研修を「非常に有意義」、「有意義」と評価いただきました。