今日の企業は、消費者、従業員、地域社会、取引先、株主などの様々なステイクホルダーに配慮する経営が求められています。ビジネスに倫理を求めていくのは妥当なことなのか、また、どのような倫理を求めていくのかについて、本講義では倫理学の視点からビジネスの在り方を見直していきます。講義ではケース・メソッドの手法を用いて、ビジネスにおける倫理的な問題をグループ討議によって主体的に考える機会を多く設けます。 また、倫理学の基本的な規範理論を紹介し、哲学的な思考能力を涵養します。

　ターンアラウンド・マネジメントとは企業や事業を再生させるために行うマネジメントのことです。本講義では企業が危機的状況に陥る原因と、企業再生のための処方を探ります。講義では事例に基づいて、企業が危機的状況に陥る経緯を明らかにし、続いてその企業がどのように再生していったかを学びます。また企業が破たんに陥る典型をタイプ別に分類し、破たんに至らない組織作りの手法についても検討していきます。

The aim of this course is to survey the growing field of business ethics. Specifically, we will first become familiar with the major ethical theories, and see how they can be used as tools to understand the moral issues in business. Then, we will survey the major issues in the field. We will evaluate the major stances concerning general corporate social responsibility. We will examine views concerning the meaning and value of work, employee rights, and employee responsibilities. We will then look at product safety and pricing issues, ethics in advertising, and issues surrounding international business and globalization.

　本講義では倫理学と経営学の二つの学問の基礎理論を元に、その融合である「ビジネス倫理論」を具体的事例と共に学んでいきます。まず、前半の講義では功利主義、義務論など現代倫理学の基本的理論を概観します。善悪の判断のつけかたについての基本的な考察方法について紹介します。続いて後半の講義ではステイクホルダー重視型経営などの様々なマネジメント上の倫理的ジレンマについて事例をもとに討議します。また経営における失敗の典型例を取り上げ、失敗しない経営の在り方についても考察していきます。